業界横断 副業コンプライアンス調査 2026 業界別リスク度分析【16,139名調査】
副業者(n=8,579)・本業先の副業制度管理者(n=3,763)・副業発注者(n=3,797)の三者合計16,139名を対象とした大規模調査をもとに、16業界の副業リスクを業界別に分析しました。「副業率の高さ」と「トラブルの起きやすさ」「トラブルの重大さ」「管理者の確認実施率」は必ずしも一致しません。本レポートでは、各業界がどの種類のリスクをどの程度抱えているかを、立場別の視点から横断的に可視化します。
サマリ
公務員は違反副業率が全業界で最多(31%)だが、管理者のトラブル把握は中位以下 ―― 「隠れたリスク」業界
副業リスクは、①副業者本人の制度違反(=勤務先が禁止していても副業している「違反副業率」)と、②管理者が実際に遭遇・把握したトラブル(=トラブル遭遇率)という、別々の調査・視点から捉える必要があります。両者で浮かび上がる業界は異なります。
違反副業率(勤務先が禁止でも副業している割合/調査対象:副業者全体 n=8,579)
| 業界 | 違反副業率 |
|---|---|
| 業界全体 | 15% |
| 公務員 | 31% |
| 電気・ガス・水道業 | 22% |
| 建設業 | 18% |
| 不動産業 | 18% |
| 農業・林業・漁業・鉱業 | 18% |
| 調査業・シンクタンク | 17% |
| 製造業 | 17% |
| 金融・証券・保険業 | 16% |
| 情報通信業 | 16% |
| メディア・マスコミ・広告 | 15% |
| 商社・卸売・小売業 | 14% |
| 運送・輸送業 | 13% |
| 医療・福祉 | 13% |
| サービス業 | 10% |
| 出版・印刷業 | 10% |
| 教育業 | 9% |
公務員は副業率自体は最下位(13%)にもかかわらず、違反副業率は31%で全業界トップ。一方、管理者が把握するトラブル発生率では中位以下に位置しており、「制度違反は多いが、トラブルとしては把握されにくい」隠れたリスク業界であることが示唆されます。

農業・林業・漁業・鉱業は副業率・トラブル発生率がともに最多 ―― 唯一の「顕在リスク」業界
「農業・林業・漁業・鉱業」は副業率が31%で突出して高く、本業先管理者視点のトラブル発生率も80%で全業界1位。違反・発生の両面で高く、リスクが「顕在化」している唯一の業界です。発生トラブルの上位は守秘情報の漏洩・過重労働による体調不良・本業への競業化で、いずれも僅差で並びます。
「公共性が高い業界」ほど、副業に関する継続的な確認ができていない
「公務員」「教育業」「医療・福祉」「電気・ガス・水道業」といった公共性が高い業界では、管理者が副業について継続的な確認をできていない割合が高い結果となりました。次いで課題が大きいのが「商社・卸売・小売業」「不動産業」です。
副業率の高さは「リスクの高さ」とは一致しない
副業率が最も高い農業・林業・漁業・鉱業(31%)がリスクも高い一方、副業率が最下位の公務員(13%)は違反副業率が1位。副業率の高低だけでリスクの大小は測れません。本レポートでは副業率に関わらず、各業界のリスクを発生率・重大度・制度運用の多面から分析します。
発注者視点では「電気・ガス・水道業」「農業・林業・漁業・鉱業」でトラブル遭遇率が高い
副業発注者の観点では、トラブル遭遇率は「電気・ガス・水道業」89%(1位)、「農業・林業・漁業・鉱業」88%(2位)、「不動産業」85%(3位)の順。トラブル重大度は本業先管理者と同様に「メディア・マスコミ・広告」が最も高く、「農業・林業・漁業・鉱業」が次ぎます。
調査概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査名称 | 業界横断 副業コンプライアンス調査 ―― 業界別リスク度分析 |
| 調査内容 | 調査① 各業界における副業・兼業実態 / 調査② リスク度観点で「副業管理者」が注意すべき副業状況 / 調査③ リスク度観点で「副業発注者」が注意すべき副業状況 |
| 調査手法 | インターネット定量調査 |
| 調査時期 | 2026年1月15日 〜 2026年1月24日 |
| 調査対象 | [居住地] 全国/[年齢] 20歳以上65歳以下/[性別] 男女 |
| 事前調査 | n=85,274 |
| 調査①(副業者) | n=8,579 |
| 調査②(副業制度の運営担当者/管理者) | n=3,763 |
| 調査③(副業者への発注に関わる者) | n=3,797 |
| 集計方法 | 令和2年国勢調査 就業状態等基本集計を元に、業種×性年代構成を補正 |
| 副業者定義 | キャンペーンやアンケート等でのポイント獲得以外で、本業以外に現金収入がある者 |
| 実施主体 | 株式会社フクスケ |
※本レポートの数値は、2026年1月24日時点の確定データを用いています。 ※業界別集計でn数が僅少のセグメントは「参考値」と明記しています。

前提:副業関係者3者間の視点の確認

副業をめぐるトラブルは、立場によって「見えるもの」が異なります。本レポートでは、同じ副業という事象を ①副業者本人、②本業先の副業制度管理者、③副業者へ業務を発注する発注者 ―― の三者の視点から捉えます。
スキルの需給をマッチさせるための「業界」「業種」と、適切な労働基準の範囲内での時間利用・成果提供を担保する「実態管理」「成果確認」が、副業リスクを読み解く重要なキーワードとなります。

※本レポートの整理は「各設問の上位項目」の比較に基づくものであり、因果を断定するものではありません。
分析結果① 各業界における副業・兼業実態

業界別の副業率
最も副業率が高いのは「農業・林業・漁業・鉱業」で31%。「不動産業」22%、「情報通信業」19%が次ぎ、それ以降は13〜17%と差は小さくなります。
業界別副業率(調査対象:事前調査回答者 n=85,274)
| 業界 | 副業率 |
|---|---|
| 全体 | 15% |
| 農業・林業・漁業・鉱業 | 31% |
| 不動産業 | 22% |
| 情報通信業 | 19% |
| 電気・ガス・水道業 | 17% |
| 金融・証券・保険業 | 17% |
| サービス業 | 17% |
| 教育業 | 17% |
| 建設業 | 16% |
| 調査業・シンクタンク | 16% |
| 医療・福祉 | 15% |
| 製造業 | 14% |
| 出版・印刷業 | 14% |
| メディア・マスコミ・広告 | 14% |
| 運送・輸送業 | 14% |
| 商社・卸売・小売業 | 13% |
| 公務員 | 13% |

業界×企業規模別の副業率
業界全体では「300〜1,000人未満」規模の企業で副業率が20%とトップ。業界別では「農業・林業・漁業・鉱業」の中規模企業(30〜300人未満で42%、300〜1,000人未満で38%)で特に高く、不動産業の「300〜1,000人未満」企業(35%)が次ぎます。
業界×企業規模別副業率(調査対象:事前調査回答者 n=85,274)
| 業界 | 総計 | 30人未満 | 30〜300人未満 | 300〜1,000人未満 | 1,000〜3,000人未満 | 3,000人以上 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 業界全体 | 15% | 13% | 16% | 20% | 16% | 12% |
| 農業・林業・漁業・鉱業 | 31% | 23% | 42% | 38% | 23% | 24% |
| 不動産業 | 22% | 16% | 22% | 35% | 19% | 23% |
| 情報通信業 | 19% | 15% | 21% | 24% | 15% | 17% |
| 教育業 | 17% | 14% | 16% | 27% | 20% | 18% |
| サービス業 | 17% | 12% | 17% | 24% | 24% | 16% |
| 電気・ガス・水道業 | 17% | 16% | 21% | 21% | 18% | 10% |
| 金融・証券・保険業 | 17% | 15% | 23% | 25% | 14% | 12% |
| 調査業・シンクタンク | 16% | 12% | 19% | 26% | 10% | 16% |
| 建設業 | 16% | 13% | 18% | 22% | 13% | 16% |
| 医療・福祉 | 15% | 13% | 16% | 17% | 16% | 13% |
| 製造業 | 14% | 11% | 13% | 21% | 17% | 13% |
| メディア・マスコミ・広告 | 14% | 13% | 13% | 21% | 16% | 6% |
| 運送・輸送業 | 14% | 13% | 15% | 16% | 13% | 16% |
| 商社・卸売・小売業 | 13% | 13% | 15% | 15% | 14% | 9% |
| 出版・印刷業 | 13% | 18% | 11% | 6% | 9% | 9% |
| 公務員 | 13% | 9% | 18% | 17% | 14% | 8% |
※企業規模の列名はPDFの表記に準拠。「300人未満」=30〜300人未満、「1,000人未満」=300〜1,000人未満 等、各区分は当該人数「未満」のレンジを指します。

業界別の副業許可状況(届出・審査・禁止・黙認)
副業が「可能」(届出のみ+審査の上許可制)な企業の割合は、「農業・林業・漁業・鉱業」「情報通信業」「金融・証券・保険業」がいずれも52%で並んで高い結果。なかでも農業・林業・漁業・鉱業は、開始ハードルが低い「届出のみ」の比率が28%と最も高くなっています。
副業許可状況(業界全体/調査対象:副業者 n=8,579)
| 区分 | 業界全体 |
|---|---|
| 届出のみで副業可能 | 21% |
| 審査の上、許可制で副業可能 | 20% |
| 副業は原則禁止されている | 15% |
| 明確な制度はないが、事実上容認されている(黙認状態) | 29% |
| わからない | 16% |
※業界別の内訳は下図を参照。

業界別の副業審査導入率
副業を「審査制」(審査の上で許可)として管理している企業は「金融・証券・保険業」が最も多く33%。次いで「情報通信業」31%が続き、「建設業」「電気・ガス・水道業」「製造業」が25%、「農業・林業・漁業・鉱業」「不動産業」が24%で同程度に並びます。
「審査の上での許可」実施率(調査対象:副業者 n=8,579)
| 業界 | 審査制の導入率 |
|---|---|
| 業界全体 | 20% |
| 金融・証券・保険業 | 33% |
| 情報通信業 | 31% |
| 建設業 | 25% |
| 電気・ガス・水道業 | 25% |
| 製造業 | 25% |
| 農業・林業・漁業・鉱業 | 24% |
| 不動産業 | 24% |
| 教育業 | 20% |
| 商社・卸売・小売業 | 19% |
| 公務員 | 19% |
| 運送・輸送業 | 16% |
| 調査業・シンクタンク | 15% |
| サービス業 | 14% |
| 出版・印刷業 | 13% |
| 医療・福祉 | 13% |
| メディア・マスコミ・広告 | 9% |

違反副業率&隠れ副業率
勤務先が禁止しているにも関わらず副業を行う「違反副業」は公務員が31%と最多で、電気・ガス・水道業22%が次ぎます。一方、届出・許可制の企業で未申告のまま副業を行う「隠れ副業」は、(参考値を除くと)運送・輸送業が39%で最も高く、医療・福祉・金融が37%で続きます。
違反副業率(勤務先が禁止でも副業/調査対象:副業者全体 n=8,579)
| 業界 | 違反副業率 |
|---|---|
| 業界全体 | 15% |
| 公務員 | 31% |
| 電気・ガス・水道業 | 22% |
| 建設業 | 18% |
| 不動産業 | 18% |
| 農業・林業・漁業・鉱業 | 18% |
| 調査業・シンクタンク | 17% |
| 製造業 | 17% |
| 金融・証券・保険業 | 16% |
| 情報通信業 | 16% |
| メディア・マスコミ・広告 | 15% |
| 商社・卸売・小売業 | 14% |
| 運送・輸送業 | 13% |
| 医療・福祉 | 13% |
| サービス業 | 10% |
| 出版・印刷業 | 10% |
| 教育業 | 9% |
未申告副業(隠れ副業)率(調査対象:副業届出制の副業者 n=3,298)
| 業界 | 隠れ副業率 |
|---|---|
| 業界全体 | 35% |
| 運送・輸送業 | 39% |
| 医療・福祉 | 37% |
| 金融・証券・保険業 | 37% |
| 教育業 | 36% |
| 情報通信業 | 36% |
| 商社・卸売・小売業 | 35% |
| サービス業 | 35% |
| 公務員 | 33% |
| 製造業 | 33% |
| 建設業 | 32% |
| 不動産業 | 30% |
| 農業・林業・漁業・鉱業 | 30% |
| 調査業・シンクタンク | 47%(参考値) |
| 電気・ガス・水道業 | 48%(参考値) |
| メディア・マスコミ・広告 | 58%(参考値) |
| 出版・印刷業 | 59%(参考値) |
※隠れ副業率のうちグレー表記(調査業・シンクタンク/電気・ガス・水道業/メディア・マスコミ・広告/出版・印刷業)はn数僅少のため参考値。

(参考)隠れ副業の理由
未申告(隠れ副業)の理由として最も多いのは「周囲の社員にネガティブな印象を持たれたくない」で17%。次いで「副業をすることが評価に影響しそうだと感じた」「副業が本業の成果に影響すると誤解されそうだと感じた」と、本業の評価への影響を懸念する理由が15%で続きます。
未申告の理由ランキング(全業界/許可を得ていない隠れ副業者 n=362)
| 理由 | 割合 |
|---|---|
| 周囲の社員にネガティブな印象を持たれたり、職場の人間関係が悪化したりしたくない | 17% |
| 副業をすることが評価に影響しそうだと感じた | 15% |
| 副業が本業の成果に影響すると誤解されそうだと感じた | 15% |
| 副業できるなら、と本業の業務量の増加に繋がる恐れがある | 12% |
| 副業先との信頼関係上、本業先に知られたくないため | 10% |
| 相談できる窓口や相談しやすい雰囲気がなかった | 10% |
| 機密情報漏洩や競業避止違反の疑念を持たれたくない | 10% |

分析結果② リスク度観点で本業先管理者が注意すべき副業状況

本業先管理者が注意すべき高リスク業界の特徴
本業先の副業制度管理者の視点で、特に注意すべき高リスク業界として「農業・林業・漁業・鉱業」「公務員」「教育業」の3業界を取り上げます。同じ高リスク業界でも、トラブルの中身も、制度運用の課題も異なります。
| 観点 | 農業・林業・漁業・鉱業 | 公務員 | 教育業 |
|---|---|---|---|
| トラブル発生率 | 80%(1位) | 70%(8位) | 69%(9位) |
| トラブル重大度(偏差値) | 58(4位) | 51(8位) | 58(2位) |
| 発生トラブル上位 | ①守秘情報の漏洩 ②過重労働による体調不良 ③本業への競業化(上位三位は同程度) | ①過重労働による体調不良 ②業務過多による本業支障 ③反社会的勢力との関与や違法行為が疑われる事案 | ①業務過多による本業支障 ②本業への競業化 ③過重労働による体調不良 |
| 制度運用の確認実施率 | 労働安全・競業化防止・ブランド毀損防止の実施率がいずれも業界平均以上 | 労働安全・情報漏洩・ブランド毀損防止の未実施状況がいずれも最悪の水準 | 競業化防止・情報漏洩・ブランド毀損防止の未実施率が高い |
| 考察 | 農業に関するノウハウ情報の漏洩や、フィジカルワークに多い過重労働がトラブルに繋がると考えられる。監査や本人の体調不良で発覚することも多く、検知の仕組みを構築することが重要 | 元々副業浸透が遅く、確認制度の実施率が押し並べて低い業界。今後公務員の副業許可が進むとトラブルが可視化される可能性があり、早期の制度構築が求められる | トラブル内容・発覚経路ともに業務過多や副業者の体調不良が主要因。副業時間の把握が特に重要と想定される |
※括弧内の順位は比較16業界における順位。

深刻度が高い業界の特定(発生率×重大度・管理者視点)
本業先管理者観点で最もトラブル発生率が高いのは「農業・林業・漁業・鉱業」。同程度のスコアで「不動産業」「出版・印刷業(参考値)」「建設業」が続きますが、トラブル重大度は「農業・林業・漁業・鉱業」よりも低くなっています。重大度の高さでは「メディア・マスコミ・広告」が群を抜いて高く、それ以外は「農業・林業・漁業・鉱業」「教育業」「調査業・シンクタンク」が同水準で並びます。

業界別の確認実施状況
「公務員」「教育業」「医療・福祉」「電気・ガス・水道業」といった公共性が高い業界では、管理者が継続的に確認できていない割合が高い結果に。次いで課題があるのが「商社・卸売・小売業」「不動産業」です。
継続的な確認を「制度化できていない」割合(調査対象:所属企業で副業許可制度あり/副業黙認 n=3,166)
| 業界 | 労働安全衛生(過重労働の防止) | 競業化(取引・業務内容の競業化) | 情報資産の横領・守秘情報漏えい | ブランド毀損・コンプライアンス違反 |
|---|---|---|---|---|
| 業界 計(n=3,166) | 64% | 67% | 61% | 59% |
| 農業・林業・漁業・鉱業(n=145) | 48% | 59% | 63% | 50% |
| 建設業(n=238) | 67% | 68% | 54% | 57% |
| 製造業(n=295) | 50% | 52% | 53% | 49% |
| 電気・ガス・水道業(n=144) | 69% | 73% | 55% | 62% |
| 情報通信業(n=284) | 52% | 61% | 51% | 56% |
| 出版・印刷業(n=36)※参考値 | 84% | 82% | 74% | 59% |
| メディア・マスコミ・広告(n=76) | 78% | 70% | 57% | 52% |
| 運送・輸送業(n=220) | 66% | 69% | 61% | 64% |
| 商社・卸売・小売業(n=255) | 68% | 76% | 71% | 62% |
| 金融・証券・保険業(n=267) | 68% | 68% | 56% | 61% |
| 不動産業(n=206) | 66% | 72% | 66% | 62% |
| 調査業・シンクタンク(n=45)※参考値 | 78% | 68% | 65% | 53% |
| サービス業(n=263) | 63% | 69% | 61% | 60% |
| 教育業(n=229) | 68% | 78% | 73% | 72% |
| 医療・福祉(n=217) | 73% | 69% | 64% | 67% |
| 公務員(n=246) | 79% | 80% | 68% | 72% |
※各確認項目で「確認できていない」上位5業界が原資料でマーキングされています。出版・印刷業/調査業・シンクタンクはn数僅少のため参考値扱い。

所属業界別の発生トラブル ―― 高リスク業界でも中身は異なる
トラブル経験率が高い「農業・林業・漁業・鉱業」「建設業」では「守秘情報の利用や漏洩」が最も多い一方、同じくトラブルが多い不動産業では「本業への競業化行為」が1位。同じ高リスク業界でも、発生トラブルの中身は異なります。
業界別の発生トラブル1位(調査対象:副業制度管理者 n=3,763)
| 業界 | 1位のトラブル | 経験率 |
|---|---|---|
| 農業・林業・漁業・鉱業 | 守秘情報の利用や漏洩によるトラブル | 35% |
| 建設業 | 守秘情報の利用や漏洩によるトラブル | 31% |
| 製造業 | 業務過多による本業支障 | 36% |
| 電気・ガス・水道業 | 業務過多による本業支障 | 26% |
| 情報通信業 | 守秘情報の利用や漏洩によるトラブル | 34% |
| 出版・印刷業(参考値) | 従業員の過重労働による体調不良 | 47% |
| メディア・マスコミ・広告(参考値) | 従業員の過重労働による体調不良 | 26% |
| 運送・輸送業 | 守秘情報の利用や漏洩によるトラブル | 32% |
| 商社・卸売・小売業 | 本業への競業化行為 | 35% |
| 金融・証券・保険業 | 本業への競業化行為 | 34% |
| 不動産業 | 本業への競業化行為 | 33% |
| 調査業・シンクタンク(参考値) | 本業への競業化行為 | 41% |
| サービス業 | 本業への競業化行為 | 33% |
| 教育業 | 業務過多による本業支障 | 35% |
| 医療・福祉 | 本業の評判毀損(SNS炎上等) | 33% |
| 公務員 | 従業員の過重労働による体調不良 | 26% |
※2位・3位を含む全項目は下図を参照。

「守秘情報の利用・漏洩」トラブルの業界別発生率
トラブルを経験した管理者のうち、守秘情報の利用・漏洩を挙げた割合は「金融・証券・保険業」「運送・輸送業」「建設業」「情報通信業」が3割超で高い結果。一方、「公務員」「調査業・シンクタンク」では低くなっています。
「守秘情報の利用や漏洩によるトラブル」発生率(調査対象:副業制度管理者 n=3,763)
| 業界 | 発生率 |
|---|---|
| 業界 計 | 26% |
| 農業・林業・漁業・鉱業 | 35% |
| 情報通信業 | 34% |
| 金融・証券・保険業 | 34% |
| サービス業 | 33% |
| 運送・輸送業 | 32% |
| 建設業 | 31% |
| 不動産業 | 30% |
| 製造業 | 29% |
| 出版・印刷業(参考値) | 28% |
| 電気・ガス・水道業(参考値) | 25% |
| 教育業 | 23% |
| 商社・卸売・小売業 | 21% |
| 医療・福祉 | 18% |
| 調査業・シンクタンク | 14% |
| 公務員 | 14% |
| メディア・マスコミ・広告(参考値) | 11% |

業界別の労働時間の把握率
労働時間の把握率が高いのは「運送・輸送業」「サービス業」「製造業」。一方、トラブル発生率が高い「農業・林業・漁業・鉱業」は労働時間の把握率が8%と著しく低いのが特徴的です。
労働時間の把握率(調査対象:所属企業で副業許可制度あり/黙認 n=3,166)
| 業界 | 把握率 |
|---|---|
| 業界 計 | 27% |
| 運送・輸送業 | 32% |
| サービス業 | 31% |
| 製造業 | 31% |
| 教育業 | 30% |
| メディア・マスコミ・広告 | 29% |
| 建設業 | 28% |
| 医療・福祉 | 27% |
| 金融・証券・保険業 | 23% |
| 電気・ガス・水道業 | 22% |
| 商社・卸売・小売業 | 21% |
| 情報通信業 | 21% |
| 公務員 | 20% |
| 不動産業 | 20% |
| 農業・林業・漁業・鉱業 | 8% |
| 調査業・シンクタンク(参考値) | 35% |
| 出版・印刷業(参考値) | 5% |

所属業界別の発生トラブルの3類型
各業界の管理者が最も多く経験したトラブルをもとに、業界を3類型に分類しました。型により有効な対策が異なります。
- 守秘情報漏洩型(対策:情報管理・アクセス制御):農業・林業・漁業・鉱業/建設業/情報通信業/運送・輸送業/金融・証券・保険業
- 本業の競業化型(対策:競業避止・業務範囲の確認):商社・卸売・小売業/調査業・シンクタンク/不動産業/サービス業
- 体調不良型(対策:労働時間の把握):製造業/出版・印刷業*/教育業/電気・ガス・水道業*/メディア・マスコミ・広告*/公務員
※第1位項目のみで分類。多くの業界で1〜3位が僅差のため、詳細は「所属業界別の発生トラブル」の図を参照。*はn数僅少の参考値。

所属業界別のトラブル発覚経路
トラブル経験率が高い「農業・林業・漁業・鉱業」では発覚経路が分散し、突出した経路がありません(各経路18〜22%)。一方、建設業は「本人の体調不良等」(38%)、不動産業は「第三者からの指摘」(33%)が発覚経路の1位。建設業はトラブル内容でも体調不良が上位にあること、不動産業は業者間のコミュニケーションが重要な業種であることとの関連が示唆されます。
業界別の発覚経路1位(調査対象:副業制度管理者 n=3,763/トラブル経験者ベース)
| 業界 | 発覚経路1位 | 経験率 |
|---|---|---|
| 農業・林業・漁業・鉱業 | 内部通告(上司・同僚・部下) | 19% |
| 建設業 | 本人の体調不良等から発覚 | 38% |
| 製造業 | 勤務時間の変化から発覚 | 26% |
| 電気・ガス・水道業 | 勤務時間の変化から発覚 | 25% |
| 情報通信業 | その他第三者からの指摘 | 24% |
| 出版・印刷業(参考値) | その他第三者からの指摘 | 36% |
| メディア・マスコミ・広告(参考値) | 監査・内部統制で検知 | 23% |
| 運送・輸送業 | 監査・内部統制で検知 | 33% |
| 商社・卸売・小売業 | 内部通告(上司・同僚・部下) | 27% |
| 金融・証券・保険業 | その他第三者からの指摘 | 33% |
| 不動産業 | その他第三者からの指摘 | 33% |
| 調査業・シンクタンク(参考値) | 監査・内部統制で検知 | 42% |
| サービス業 | 内部通告(上司・同僚・部下) | 34% |
| 教育業 | 本人の体調不良等から発覚 | 27% |
| 医療・福祉 | 監査・内部統制で検知 | 28% |
| 公務員 | 勤務時間の変化から発覚 | 25% |
※2位・3位を含む全経路は下図を参照。

分析結果③ リスク度観点で副業発注者が注意すべき副業状況

発注者が注意すべき高リスク業界の特徴
副業発注者の視点では、トラブル発生率の高い「電気・ガス・水道業」「農業・林業・漁業・鉱業」「不動産業」を高リスク業界として取り上げます。発注内容・懸念トラブル・施策の課題は業界ごとに異なります。
| 観点 | 電気・ガス・水道業 | 農業・林業・漁業・鉱業 | 不動産業 |
|---|---|---|---|
| トラブル発生率 | 89%(1位) | 88%(2位) | 85%(3位) |
| トラブル重大度(偏差値) | 58(3位) | 64(2位) | 58(4位) |
| 依頼内容 | 営業支援・代行/マーケティング戦略/開発・エンジニアリング | 事務・バックオフィス/コンサル・顧問/ライティング・編集 | 営業支援・代行/事務・バックオフィス/デザイン・制作 |
| 懸念トラブル | 業務継続性のリスク/業務品質の不安定さ/本業先の制約や規定の確認不足 | 本業先の規約確認/業務継続性のリスク/業務内容や期待成果のずれ | 副業者多忙による意思疎通リスク/業務品質の不安定さ/業務内容や期待成果のずれ |
| 実施施策の課題 | 納品基準と検収フローの相互確認/オンボーディング/業務目的と期待成果の共有 | 窓口担当者の設置/連絡手段と応答時間ルールの設定/定期的な進捗報告ルール化 | 定期的な進捗報告ルール化/連絡手段と応答時間ルールの設定/本業先への許可取得の依頼 |
| 考察 | 営業は販促などの業務を主に代行。品質や継続性でトラブル懸念があり、成果となる納品基準や業務目的のすり合わせが主要な課題 | 本業であるフィジカルワークを支援する業務を主に発注。労働形態ゆえか、窓口や連絡手段が課題となる傾向 | 不動産の営業・サポートする事務が主要な発注業務。意思疎通や品質面での懸念があり、定期的な連絡ルールの策定などが実施率の低い施策として挙がる |
※括弧内の順位は比較16業界における順位。

深刻度が高い業界の特定(発注者視点)
副業発注者の観点では「農業・林業・漁業・鉱業」「電気・ガス・水道業」でトラブル遭遇率が高く、不動産業が次ぎます。トラブル重大度は本業先管理者と同様に「メディア・マスコミ・広告」が高く、「農業・林業・漁業・鉱業」が次ぎます。

業界別の副業者への発注業務
特に発注が多い情報通信業では「開発・エンジニアリング」、不動産業で「営業支援/代行」、サービス業や運送・輸送業での「事務・バックオフィス」、出版・印刷業での「デザイン・制作」が業界全体を10%以上上回り顕著。情報通信業や不動産業では「専門領域のリソース拡充」、サービス業や運送・輸送業では「事務系作業のアウトソース」と、発注目的が2分されていることが窺えます。
発注業務1位(業界全体との差分5%以上を抜粋/調査対象:副業発注者 n=3,797)
| 業界 | 1位の発注業務 | 経験率 | 全体との差分 |
|---|---|---|---|
| 情報通信業 | 開発・エンジニアリング | 31% | +18% |
| 不動産業 | 営業支援/営業代行 | 32% | +15% |
| 運送・輸送業 | 事務・バックオフィス | 29% | +12% |
| 出版・印刷業(参考値) | デザイン・制作 | 27% | +12% |
| サービス業 | 事務・バックオフィス | 30% | +13% |
| 商社・卸売・小売業 | 営業支援/営業代行 | 26% | +9% |
※全16業界の1〜3位は下図を参照。

業界別のトラブル懸念
発注者が感じるリスクとしては、「契約と実態の不整合」「業務継続性のリスク」など業務運用上のリスクが、それぞれ4業種以上で1位となりました。2〜3位では「情報管理リスク」「本業先の許可・制約や規程の確認不足」など、管理面のリスクが複数業種で上位に見られます。
業界別の1位リスク項目(抜粋/調査対象:副業発注者 n=3,797)
| 業界 | 1位リスク項目 | スコア |
|---|---|---|
| 農業・林業・漁業・鉱業 | 本業先の制約や規程の確認不足 | 23% |
| 建設業 | 情報管理リスク | 25% |
| 製造業 | 契約と実際の不整合による法務・労務懸念 | 26% |
| 電気・ガス・水道業 | 業務継続性のリスク | 20% |
| 情報通信業 | 契約と実際の不整合による法務・労務懸念 | 20% |
| 出版・印刷業 | 契約と実際の不整合による法務・労務懸念 | 29% |
| 商社・卸売・小売業 | 導入や説明不足による立ち上がり懸念 | 26% |
| 不動産業 | 副業者多忙による安定的な意思疎通リスク | 23% |
| サービス業 | 本業先無許可の副業 | 31% |
| 公務員 | 業務品質の不安定さ | 16% |
※全16業界の1〜3位は下図を参照。

業界別の施策実施課題
業界別に「トラブル防止のための施策」で実施率が全体よりも低い項目を確認しました。トラブル発生率が高い「農業・林業・漁業・鉱業」では「窓口担当者の設置」、「電気・ガス・水道業」では「納品基準と検収フローの相互確認」が課題項目です。
※前2枚の表と異なり、ここでは「全体よりも実施率が低い項目」順となっている点に注意。

リスクの高い発注業務(業務別・発注者視点)
発注業務別では「動画制作・編集」「翻訳・通訳」「企画・事業開発」でトラブル遭遇率が90%を超えます。重大度別では「コンサル・顧問・アドバイザー」「マーケティング戦略/運用」が上位です。
※トラブル遭遇には口頭注意など軽微なものを含みます。重大度は5点満点で重みづけした加重平均(軽微=口頭・チャットでの是正要求1点/中程度=文書での是正・契約条件の変更2.3点/重大=契約解除・打切り・再発防止の正式対応3.7点/最重大=損害賠償・法的対応5点)を偏差値に変換して掲載。

発注内容別の発生トラブル
トラブル遭遇率が高いのは「デザイン・制作」「翻訳・通訳」「ライティング」「動画制作」等で、引き継ぎ不足が共通して上位に挙がりました。成果物が納品される業務では、引き継ぎ工程がトラブル発生に関わる重要な論点となっている可能性があります。一方、成果物の定義が難しい「企画・事業開発」「コンサル・顧問・アドバイザー」では納期遅延・未履行が上位。成果物のすり合わせ難易度の高さがトラブルと関連している可能性があります。
発注内容別の遭遇トラブル1位(調査対象:副業発注者 n=3,797)
| 発注内容 | 遭遇トラブル1位 | 選択率 |
|---|---|---|
| 企画・事業開発(n=442) | 納期遅延・未履行 | 26% |
| コンサル・顧問・アドバイザー(n=527) | 納期遅延・未履行 | 27% |
| 営業支援/営業代行(n=711) | 副業者が体調不良 | 21% |
| 事務・バックオフィス(n=917) | 十分な品質が得られず | 24% |
| 開発・エンジニアリング(n=553) | 十分な品質が得られず | 27% |
| デザイン・制作(n=465) | 契約終了時の引き継ぎ不足 | 32% |
| 翻訳・通訳(n=269) | 契約終了時の引き継ぎ不足 | 31% |
| マーケティング戦略/運用(n=464) | 副業者が体調不良 | 22% |
| SNS運用代行(n=347) | 本業先との関係トラブル | 26% |
| ライティング・編集(n=385) | 契約終了時の引き継ぎ不足 | 30% |
| 動画制作・編集(n=394) | 契約終了時の引き継ぎ不足 | 32% |
| その他(n=294) | 副業者が体調不良 | 19% |
※2位・3位を含む全項目は下図を参照。

Appendix

属性情報(性年代別回答者数)
[居住地] 全国/[年齢] 20歳以上65歳以下/[性別] 男女
| 性別 | 年代 | 事前調査 | 副業者調査 | 副業制度管理者(本業先) | 副業発注者 |
|---|---|---|---|---|---|
| 男性 | 20代 | 1,361 | 232 | 149 | 163 |
| 男性 | 30代 | 5,727 | 792 | 431 | 473 |
| 男性 | 40代 | 14,410 | 1,837 | 936 | 921 |
| 男性 | 50代 | 24,264 | 2,179 | 1,037 | 972 |
| 男性 | 60〜65歳 | 11,150 | 996 | 351 | 335 |
| 女性 | 20代 | 2,485 | 281 | 165 | 178 |
| 女性 | 30代 | 6,111 | 578 | 258 | 277 |
| 女性 | 40代 | 8,770 | 803 | 259 | 297 |
| 女性 | 50代 | 8,538 | 693 | 138 | 138 |
| 女性 | 60〜65歳 | 2,458 | 188 | 39 | 43 |

業界別回答者数
| 業界 | 副業者 | 本業先管理者 | 副業発注者 |
|---|---|---|---|
| 全体 | 8,579 | 3,763 | 3,797 |
| 農業・林業・漁業・鉱業 | 186 | 169 | 168 |
| 建設業 | 639 | 281 | 259 |
| 製造業 | 1,084 | 351 | 348 |
| 電気・ガス・水道業 | 162 | 177 | 165 |
| 情報通信業 | 587 | 330 | 335 |
| 出版・印刷業 | 62 | 48 | 57 |
| メディア・マスコミ・広告 | 85 | 103 | 107 |
| 運送・輸送業 | 628 | 263 | 287 |
| 商社・卸売・小売業 | 858 | 304 | 305 |
| 金融・証券・保険業 | 509 | 284 | 297 |
| 不動産業 | 298 | 231 | 237 |
| 調査業・シンクタンク | 64 | 67 | 70 |
| サービス業 | 1,199 | 327 | 331 |
| 教育業 | 530 | 267 | 240 |
| 医療・福祉 | 1,190 | 288 | 314 |
| 公務員 | 498 | 273 | 277 |

引用について

出所表記
引用について:本調査を引用いただく際は出所を明示してください。 出所の記載例:株式会社フクスケ「業界横断 副業コンプライアンス調査— 業界別リスク度分析 —」(2026年6月) お問い合わせ先:株式会社フクスケ 広報担当 info@fkske.com