株式会社フクスケでは、「金融業界における副業・兼業者の実態調査」を発表いたしました。近年、金融業界における副業・兼業をめぐる状況が大きく変化しています。2021年11月の銀行法改正以降、金融機関の業務範囲が拡大し、従来の金融サービスの枠を超えた事業展開が可能となる中、人的資本への投資など人材の多様化と柔軟な働き方への需要が高まる中、副業を容認する企業も増加しています。一方で、金融機関特有の情報管理やインサイダーなどコンプライアンスリスクも顕在化しており、柔軟性とリスクの両立を目指した適切な制度設計と運用が課題となります。本調査では、金融業界における副業・兼業の制度課題やリスクの現状を可視化し、今後の施策立案や制度運用に資する基礎資料を提供することを目的としています。%3Cdiv%20style%3D%22position%3A%20relative%3B%20width%3A%20100%25%3B%20padding-top%3A%2075%25%3B%20overflow%3A%20hidden%3B%22%3E%0A%20%20%20%20%3Ciframe%20class%3D%22speakerdeck-iframe%22%20frameborder%3D%220%22%20%0A%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20src%3D%22https%3A%2F%2Fspeakerdeck.com%2Fplayer%2F949cc4329c624814a8c7156ae63bc2f9%22%20%0A%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20title%3D%22%E7%AC%AC1%E5%9B%9E%E9%87%91%E8%9E%8D%E6%A5%AD%E7%95%8C%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E5%89%AF%E6%A5%AD%E3%83%BB%E5%85%BC%E6%A5%AD%E8%80%85%E3%81%AE%E5%AE%9F%E6%85%8B%E8%AA%BF%E6%9F%BB%20%E3%80%90%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%83%95%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%80%91%22%20%0A%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20allowfullscreen%3D%22true%22%20%0A%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20style%3D%22position%3A%20absolute%3B%20top%3A%200%3B%20left%3A%200%3B%20width%3A%20100%25%3B%20height%3A%20100%25%3B%20border%3A%200%3B%22%3E%0A%20%20%20%20%3C%2Fiframe%3E%0A%3C%2Fdiv%3E%0APDFでの閲覧はこちら 調査名称 第1回金融業界における副業・兼業者の実態調査調査内容金融業界勤務者の副業・兼業実態金融業界内の副業・兼業と制度実態について調査手法モニター会社を利用したインターネット定量調査「Freeasy」調査時期2024年09月25日 ~ 2024年10月08日調査対象[居住地]全国[年齢]20歳以上 65歳以下[性別]男女[職業]金融・証券・保険業サンプル数:6,953副業実施者:731副業非実施者:1,000サマリー金融業界における本業先への副業通知は27%、46%は通知せず副業実施「副業=非難されること」という空気感、相談できる環境未整備が課題副業自体が「オープンにしたくないもの」と開示に抵抗があることと認識されており、職場雰囲気や、規則違反への不安から通知が進んでいない実態が明確になった。。一方で、副業が寛容な職場では通知率も高まる結果も明らかに。副業制度の適切な運用のためには、管理者の意識醸成、及び副業の本業効果が理解されたオープンな雰囲気醸成が重要。副業者の半数弱が何かしらのトラブルを経験し、20−30代で6割近く発生。トラブルの種類では本業のイメージダウン等、金融業界特有の信用に影響が発生してしまうケースが2番目に高く注視が必要。過重労働系のトラブル経験者では上位4種まで同程度の分布。漏洩・競業避止系トラブル経験者においては、EC、事務・アシスタント、デジタル関連副業の実施率の高さが特徴的。非通知副業のトップは「20代」続いて「50代」、「300-1,000名規模」「証券会社」リスク回避のために対策が必要30〜1000人程度の企業は制度課題により副業通知率が低く問題発生率が高い。全体の37%を占める3000人規模の企業は、通知率が相対的に高く制度運用が進む。「20代」の副業通知を促すためにはキャリア形成や規則違反など不安へのケアが重要。「50代」はプライベート公開への抵抗感があるため、制度よりも話しやすい風土醸成がより求められる非通知率が高かったセグメントの非通知理由「20代」はキャリア形成や規則違反への不安、「50代」はプライバシー意識からの抵抗感が非通知の要因。「証券会社」は人間関係への影響不安が顕著。大企業を中心に副業環境が整備される一方、業界全体での問題発生率の低減、通知率の上昇が今後の課題。100~1,000名規模の企業では通知率が低く、問題発生率が高い。30〜1000人程度の企業は制度課題により副業が通知率が低く問題発生率が高い全体の37%を占める3000人規模の企業は、通知率が相対的に高く制度活用が進んでいる若者を中心に約半数が副業・兼業を希望するも、職場の雰囲気が大きな障害副業実態金融業における副業率は15%副業率が高いのは30代(18%)/40代(19%)最も低いのは50代で13%副業で実現するポジティブな効果としては、「柔軟な働き方への理解促進」「外部の視点や新しいアイデア」「多様な経験やスキルを持った人材の増加」がTOP3。副業意向非副業者においても45%は副業意向あり。一方で、副業に寛容でない職場が52%存在し、副業へのハードルの高さが伺える。調査結果①金融業界の副業・兼業実態金融業界勤務者の副業実施率と職務金融業界における副業率は15.4%副業者の構成としては、保険会社、銀行が上位で併せて66%を占める。副業・兼業をもつ金融業界勤務者の年代副業率が最も高いのは40代で19%。次いで30代、20代と、若い層ほど副業率が高い傾向。副業・兼業を行う金融業界勤務者の世帯年収帯副業率が特に高いエリアは、北海道、四国。世帯年収では1500万円が最も高く、600~800万円層が最も低い。副業・兼業を行う金融業界勤務者の動機副業の動機としては、「趣味などのためのゆとり」「生活が苦しい」「将来不安」がそれ以下の項目に対して10pt以上の差をつけて上位。副業・兼業月収入別調査副業収入の分布は1~5万円、5万円以上がそれぞれ40%台、1万円未満の収入者も16%存在。非副業・兼業者の職場の寛容度と副業・兼業意向副業・兼業を非実施者の職場では、副業に対する雰囲気が「寛容でない」の合計で50.1%と多数を占める。一方で、「寛容でない職場 計」においても副業・兼業希望者が44.9%と多数存在しており、副業希望者が一定数存在していることがわかった。年代別の非副業・兼業者の副業・兼業意向20代と30代で「副業・兼業をしたい」という回答が最も高く、それぞれ54.1%と53.8%。若いほど副業に前向きな意識が高いことがわかる。一方で年齢が上がると副業意欲が減少する傾向があり、特に60代では「副業・兼業をしたい」という回答が29.9%と最低。非副業者が希望する副業内容希望する副業・兼業内容としては事務が40%と、2位の販売・サービス業に倍以上の比率。続いて専門サービス、教育、クリエイティブ職が近しいスコアで並ぶ。調査結果②副業による組織効果とリスク副業がもたらす組織効果副業が組織にもたらす効果としては「柔軟な働き方への理解促進」が最も高く、インクルーシブな働き方の理解を深める上で重要であることが伺える。副業がもたらす組織効果副業が可能であることにより転職意向が高まるものが51.7%存在。特に20代が61.9%と意向が高まる傾向。若者への魅力訴求のためには、副業制度が有効であることが窺える。副業に伴った発生する問題とその詳細副業にはリスクもあり、半数弱の副業者が過去に問題を起こした経験が。特に「本業を疎かに」「過重労働」のような労務リスクの他、「本業企業へのイメージダウンとなる行為」といった深刻な問題も上位に。年代別の問題発生リスク先述のような問題は特に20〜30代の若い層で発生経験率が高く、特に30代は67.9%。企業規模別の問題発生リスク全組織規模で30%以上の問題が発生しており中でも30〜300人、300〜1000人程度の中規模企業で発生が多い傾向。調査結果②活用される副業制度となるための課題非副業実施者の半数近くが副業に否定的な職場に在籍している副業未実施の金融業の職場では半数の50.1%が副業・兼業に否定的と解答。金融業の職場では半数が副業・兼業に寛容ではない事がわかった。副業をしている職場の人への印象変化上司が副業をしていることを知った場合、印象が悪くなると回答した者が35.7%存在。副業による印象悪化が一定発生し、特に上司に対してその比率が多いことが伺える。勤務先における副業制限の有無と内容・納得度副業制限のある企業は54.1%。内容の上位は「業種・職種の制限」で40%。2位以降は、「副業時間の制限」「詳細な内容の報告」「関係会社のみでの許可」と続く。勤務先における副業の許可状況副業が許可されている金融業は、53%存在。審査を行わず、届け出のみの対応を行っている企業が32.7%でトップ。副業者の45.7%は副業禁止・制度未整備の職場で副業を実施。多様化する本業先への通知状況一方で、実際に副業を報告しているのは26.7%に留まる。多様化する本業先への通知状況20代の81%と大半が副業を通知しておらず、企業規模別では30~3000人の中規模企業が80.6%と、非通知者がとりわけ多い。年代・業態により差がある副業通知状況30〜1000人程度の企業は制度課題により副業が通知率が低く問題発生率が高い。全体の37%を占める3000人規模の企業は、通知率が相対的に高く制度活用が進む。非通知業態の上位は1位「証券会社」2位「地方銀行/信用金庫」3位「保険会社(生命保険/損害保険)」多様化する本業先への通知状況職場の副業への関与度で、副業の通知状況には大きな差が発生。寛容な職場では40.7%が通知している一方、寛容ではない職場では通知が13.8%に留まる。職場へ通知をしたくない理由通知したくない理由は、「個人的なこと」が46%で最上位。キャリアへの心配よりもプライバシー意識による抵抗感が障壁。特に非通知率が高いセグメントの、職場へ通知をしたくない理由非通知率が高かったセグメントの非通知理由を確認。「20代」はキャリア形成や規則違反への不安、「50代」はプライバシー意識からの抵抗感が非通知の要因。「証券会社」は人間関係への影響不安が顕著。副業・兼業開示を拒むネガティブな経験副業開示を拒む体験としては、「相談できる人や窓口がない」が37.3%と最も高い。制度設置だけではない、希望者を後押しするような仕組みが求められていることが窺える。従業員が求める副業・兼業の課題と、求める制度副業者/非副業者共に、副業をに対する課題や理想とする姿の上位は、『時間的制約』に関わることと共通している。【組織規模別】副業・兼業制度の課題副業を行う際の課題は、どの企業規模でも「時間的制約」「組織の硬直的な規則や制度」が上位であるが、この2つの順位は企業規模で差が見られる。中小規模ほど硬直的な規則が課題とである一方、大企業、30人未満の小企業は時間的制約の方が課題となっている。【組織規模別】求める制度概要30人未満企業以外は、各企業規模でほぼ同一のスコア。30~1000人の企業では「理解促進」のスコアが相対的に低く、「明確で公平な規則の策定」がより求められている。属性情報[居住地]全国、[年齢]20歳以上 60歳以下、[性別]男女、[職業]金融業スクリーニング調査回答者年代%10代0.020代7.130代16.540代25.550代37.260代以上13.7全体6,953副業者調査回答者年代%10代0.020代5.730代18.740代30.250代32.060代以上13.3全体731非副業者調査回答者年代%10代0.020代6.130代15.640代25.150代37.560代以上15.7全体1,000