社員によるインスタグラムでの副業について、企業はどのように向き合うべきか悩んでいませんか?手軽さから新たな収入源として注目される一方、情報商材トラブルや本業への影響など企業として見過ごせないリスクも存在します。本記事では、実際にあったトラブル事例や企業として知っておくべき具体的な対処法、そして問題を未然に防ぐためのポイントを詳しく紹介します。そもそもインスタの収益化は副業になる?結論として、インスタグラムを通じて収入を得る活動は、金額の大小にかかわらず「副業」とみなされるのが一般的です。「副業」とは、本業以外で収入を得る活動全般を指すため、インスタグラムを収益化した場合、たとえそれが少額であっても副業に該当します。ただし、税金の観点では少し異なります。給与所得を得ている方が、インスタグラムなどの副業で得た所得が年間20万円以下の場合、原則として確定申告の義務はありません。しかし、注意すべき点は、確定申告が不要であることと、その活動が「副業ではない」と判断されることは別問題だという点です。もし勤務先の就業規則で副業が明確に禁止されている場合、インスタグラムで1円でも収益を得ていれば規則違反と判断される可能性があるので、会社のルールを事前に確認しておくことが重要です。インスタの副業できる収益化の方法インスタグラムは、単に写真や動画を楽しむだけでなく、工夫次第で副業として収入を得ることが可能です。ここでは、代表的な以下4つのインスタでの収益化の方法について詳しく見ていきましょう。アフィリエイト商品やサービスのPRコンサルティング・運用代行イラストや写真の販売アフィリエイトアフィリエイトは、特定の商品やサービスを紹介し、その成果に応じて報酬を得る収益化の方法です。インスタグラムで実践するには、まずA8.netなどのASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)に登録し、紹介したい商品やサービスのアフィリエイトリンクを取得します。取得したリンクを、インスタグラムのプロフィール欄に設定します。そして、フィード投稿やストーリーズで商品やサービスを紹介し、設定したリンクから商品が売れると何割かの収益を得られるシステムです。商品やサービスのPR企業などから依頼を受けて、インスタグラム上で商品やサービスを紹介し、その対価として報酬を得る方法です。フォロワー数が5,000人を超えると企業からの依頼が増えやすく、特定のジャンルに特化したアカウントは、より単価の高い案件を獲得しやすい傾向があります。最近では、企業とインフルエンサーをつなぐマッチングプラットフォームも増えており、フォロワー数が1,000人程度からでも登録できるサービスもあります。コンサルティング・運用代行インスタグラムの運用実績やノウハウを活かし、企業の公式アカウント運用を支援する副業です。「コンサルティング」では、投稿内容やタイミング、ハッシュタグ戦略などのアドバイスを提供し、「運用代行」では、コンテンツ企画・投稿作成・コメントやDM対応などを代行します。自身のインスタアカウントで成果を出した経験があれば、それをスキルとして高単価な案件獲得につなげられる可能性があります。イラストや写真の販売インスタグラムでは、自分で撮影した写真や作成したイラストを販売することで収益につなげる方法もあります。Shutterstock(シャッターストック)やSnapmart(スナップマート)などのフォトストックサイトに登録して、投稿した作品の使用権を得る方法が一般的です。自分の好みではなく、どのような写真やイラストに需要があるのか見極めることが収益化のポイントといえるでしょう。インスタで「情報商材トラブル」が急増中インスタグラムをはじめとするSNSでは、「簡単に稼げる」「投資で大儲けできる」といったノウハウをうたう情報商材に関するトラブルが後を絶ちません。情報商材とは、副業・投資・ギャンブルなどで高収入を得るための手法や知識とされる情報を、商品として販売するものです。近年ではSNSの普及に伴い、特に若年層を中心に被害が急増しており、消費者庁の報告によれば相談件数は数年で約10倍にまで増加しています。さらに最近では、SNSの利用が広がった中高年世代にも同様のトラブルが増える傾向が見られます。その背景には、コロナ禍による収入減少などを受けて、手軽に始められる副業や投資への関心が高まっていることがあると考えられます。典型的な手口として、まずは安価な情報商材を購入させ、期待した結果が得られない場合に「より高額な情報が必要だ」と説明し、高額な契約へと誘導するケースが多く報告されています。このような手法は、「損を取り返したい」という心理を巧みに利用する非常に悪質なものです。少しでも不審な点を感じた場合には、決して契約を結ばず、関わらないという姿勢を貫くことが何よりも大切といえるでしょう。社員がインスタで副業をしているときの対処法ここからは、社員が副業をしている場合の対処法として、職業規則で副業を「禁止している場合」と「禁止していない場合」それぞれの対処方法を解説します。就業規則で「副業」を禁止・制限している場合会社の就業規則で副業が明確に禁止または制限されている場合、社員がインスタグラムで収益を得ていることが発覚すれば、原則として規則違反となります。しかし、即座に副業を辞めさせることができるとは限りません。原則、社員の勤務時間外の活動は基本的に自由であり、会社がそれを過度に制限することは、プライベートへの介入とみなされる可能性があるためです。しかし、以下のようなケースではインスタでの副業を制限したり、場合によっては懲戒処分の対象としたりすることが正当化される可能性があります。労務提供上の支障がある場合企業秘密が漏えいする場合会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合競業により会社の利益を害する場合これらのいずれかに該当する疑いがある場合、会社は事実確認を行った上で、注意指導や副業の中止命令、悪質な場合には懲戒処分といった対応を検討することになります。就業規則で「副業」を禁止・制限していない場合近年、副業を容認する企業が増えていますが、就業規則で明確に禁止していなくても、無条件に全ての副業活動を許容するわけではありません。特にインスタグラムのようなSNSを活用した副業は、情報発信の仕方によっては企業イメージや機密情報に影響を与えるリスクも伴います。企業としては、本業への支障やコンプライアンス上のリスクを未然に防ぐために、一定のルールを設けておくことが望ましいでしょう。ルールを作成する際は、以下の点を考慮することが重要です。ルール作成のポイント内容労務提供への影響・副業と本業の両立が可能か企業秘密の管理・企業ノウハウや顧客情報の利用を禁止するコンプライアンス遵守・著作権・肖像権・名誉毀損などの法令を遵守するこれらのルールを設け、社員に周知することで、トラブルを未然に防ぎ、企業と社員双方にとって望ましい副業環境を整えることができます。トラブルを未然に防ぐために必要なこと社員によるインスタグラムでの副業は、個人のスキルアップや収入増加につながる可能性がある一方で、企業にとっては情報漏洩・労務管理上の問題など、様々なリスクをはらんでいます。特にSNSは情報が拡散しやすいため、一度問題が発生するとその影響は甚大になりかねません。企業としては問題発生後の対応だけでなく、そもそもトラブルを起こさせないため、以下のような「予防策」を講じることが重要です。トラブルを未然に防ぐポイント詳細副業に関するガイドラインを設ける・SNSを介した不透明なビジネスへの参加を禁止する副業に関する教育・啓発活動を行う・社内研修やセミナーを定期的に開催する社員が相談しやすい環境を整える・副業に関する相談窓口を設けるこれらの予防策を講じることで、社員はルールの中で安心してインスタ副業に取り組むことができ、企業は予期せぬトラブルから自身を守ることができます。【まとめ】インスタ副業のリスクと健全な運用に向けたポイントインスタグラムでの副業は、スマートフォン一つで比較的手軽に始められることから、新たな収入源として注目されています。しかしその一方で、「簡単に稼げる」といった謳い文句を掲げた情報商材に関するトラブルも近年急増しており、こうした甘い話には十分な注意が必要です。企業としては、社員が意図せずトラブルに巻き込まれるリスクや、本業への影響、情報漏洩といった問題を未然に防ぐためにも、インスタグラムを含む副業に関する明確なルール作りが不可欠と言えるでしょう。