働き方改革を背景に、事務職のスキルを活かせる副業への関心が高まっていますが、残念ながら、副業初心者らを狙った悪質な詐欺も増えています。本記事では、事務の副業を安全に始めるために知っておきたい、詐欺の実態、見分け方、そして具体的な対策を徹底解説します。安心して副業に取り組めるよう、ぜひ最後までお読みください。事務の副業にはどんな内容がある?事務の副業には、さまざまな種類があります。パソコン入力ができれば始められる簡単なものから、経理のような専門知識が必要なものまで多岐にわたります。主な事務の副業としては、以下のようなものが挙げられます。自身のスキルや経験を活かせる副業を選ぶことで、効率よく収入を得ることが可能です。主な副業詳細内容データ入力・企業から依頼された情報をエクセルなどのシートに入力オンライン秘書・スケジュール管理や資料作成など企業の事務作業をサポート経費精算・領収書やレシートの整理、仕訳などを行う電話対応・企業にかかってくる電話に対応し内容を報告書類作成・プレゼン資料やマニュアルなどを作成上記以外にも、事務のスキルを活かせる副業はたくさんあります。パソコンとインターネット環境があれば、自宅で行うことができる副業も多くあるので、事務の副業は人気のある仕事の一つです。社員が事務の副業を始める場合に気をつけるべきこと社員が事務の副業を始める場合、以下のような注意点があります。本業との両立は可能か金銭面やスキル面でのリスクが大きくないか副業詐欺の可能性はないか本業との両立は可能かまず、本業との両立が可能かどうかが重要です。場合によっては、副業に時間を使いすぎて、本業に支障が出てしまう可能性もあります。社員が事務の副業を行う際は、無理のない範囲の仕事量・仕事内容かあらかじめ確認できると良いでしょう。金銭面やスキル面でのリスクが大きくないか次に、金銭面やスキル面でのリスクについても考慮が必要です。副業の中には、初期費用が必要なものや、専門的なスキルが求められるものもあります。自身のスキルや経験、経済状況とかけ離れた内容である場合、身心共に負荷がかかってしまうことも考えられます。その場合、本業にも支障をきたすケースもあるため注意が必要です。副業詐欺の可能性はないかそして、最も注意すべき点は、副業詐欺の可能性です。残念ながら、副業を装った詐欺が増加しています。社員が副業を始める場合も、甘い言葉や高額な報酬に惑わされず冷静に判断できるよう、注意喚起することが大切です。具体的な詐欺の特徴や対策については、次の章から詳しく解説します。副業詐欺が増加中近年、リモートワークの普及に伴い在宅ワーク関連の副業詐欺が増加しています。一見すると普通の求人に見えるものの、実際には詐欺であるケースが後を絶ちません。一般的な手口には、登録料やトレーニング費用と称して前金を要求するケースや、個人情報の提供を求めるケースがあります。以下に、よくある副業詐欺の例をまとめました。副業詐欺の例詳細内容商品の再発送詐欺・荷物を受け取り再包装して指定の住所に再発送する悪質なマルチ商法詐欺・新規メンバーの勧誘に重点を置き、過大な利益を約束する職業斡旋エージェント詐欺・存在しない求人や古い求人情報を提示する在宅封筒詰め詐欺・不自然に高い報酬を約束し、高額な登録料を要求するデータ入力詐欺・非現実的に高い報酬を約束し、トレーニング料を請求する商品の再発送詐欺のように、知らない間に犯罪に加担してしまうケースもあるため注意が必要です。これらの詐欺に共通しているのは、非現実的な給与や報酬の約束、前金や登録料の要求が多いことです。次の章では、「副業詐欺の特徴」について詳しく解説していきます。副業詐欺の特徴副業詐欺には、いくつかの共通する特徴があります。条件が良すぎる仕事内容がはっきりとわからない初期費用を請求される場合がある上記のうち、1つでも該当する場合は、副業詐欺のリスクが高いため注意が必要です。次の章から、それぞれの特徴について詳しく解説します。条件が良すぎる副業を探す際、「簡単に稼げる」「高収入」といった魅力的な条件を提示している求人には注意が必要です。特に、「誰でもできる」「未経験者歓迎」といった言葉で、特別なスキルや経験がなくても高収入を得られるかのように謳っている場合は詐欺の可能性が高いと考えられます。もし、提示されている給与が、その職種の平均よりもはるかに高い場合や、仕事内容に対して報酬が見合わないと感じる場合は、特に注意すべきです。企業の公式サイトや口コミサイトを確認し、信頼できる企業かどうかを調べる必要があります。仕事内容がはっきりとわからない「在宅でできる簡単作業」「誰でもできる事務作業」など、具体的な業務内容が示されていない求人には注意が必要です。こうした曖昧な表現の求人では、実際には高額なマニュアルや独自システムの購入を求められるケースもあります。また、面接プロセスがなかったり、その内容が不透明だったりする場合も危険信号です。例えば、以下のようなケースでは、その企業は信用できない可能性が高いと判断できます。面接官が会社の詳細について説明できない受け答えに矛盾がある面接の準備ができていない仮に面接がなくても、不審に感じたら、メールや問い合わせフォームを利用して仕事内容を詳しく確認しましょう。曖昧な点があれば納得できるまで明確にしてから応募することで、リスク回避が可能です。初期費用を請求される場合がある仕事を始める際に初期費用や登録料を請求される場合は、詐欺の可能性が非常に高いと考えられます。通常、合法的な求人では求職者に金銭的な負担を強いることはありません。特に、詐欺では以下のような費用を請求されることがあります。システム利用料登録費用トレーニング費用教育費教材費また、中には最初は報酬を支払って信用させた後、高額な初期費用を請求し、それ以降仕事を提供しなくなる手口もあります。「お金を払わないと仕事ができない」という副業は、詐欺と判断しておおよそ問題ないでしょう。社員が副業詐欺にあわないために気をつけるべきこと社員が副業詐欺の被害にあわないためには、次の3つの点に注意することが重要です。企業・人物の徹底調査給与水準の確認金銭要求への警戒まず、企業や人物について、インターネットで評判を検索し、詐欺に関する情報がないか徹底的に調べましょう。公式サイトやSNSで企業の活動記録や従業員の情報があるか確認することも重要です。通常、継続的に活動している企業であれば、何らかの口コミや評判が見つかるものです。しかし、詐欺を行う企業は、企業名やアカウントを頻繁に変更するため、ネット上に情報が見当たらないことがあります。次に、提示された給与が、類似の職種と比較して、市場価値と大きくかけ離れていないか確認しましょう。あまりにも高額な場合は、慎重な検討が必要です。依頼主に作業時間の概算を聞き、時給換算で1000円~2000円に納まる程度が一般的です。そして、最も重要なのは、金銭を要求してくる相手には絶対に応じないことです。正規の企業が、応募時に料金を求めることはありません。金銭の送金を求められた場合は、詐欺の可能性が極めて高いため、直ちに距離を取るようにしましょう。【まとめ】事務の副業は慎重に!詐欺を見抜いて安全なスタートを事務の副業は、スキルアップや収入増の機会を提供する一方で詐欺のリスクも潜んでいます。社員が副業を始める際や副業制度の導入を検討している場合は、信頼できる情報源から求人情報を収集し、ぜひこの記事で解説した詐欺の特徴や注意点を参考にしてみてください。